新着ブログ

株式会社週休3日 代表取締役 永井宏明さん インタビュー

 

今回、パートナー企業である株式会社週休3日の代表取締役 永井宏明社長に学生インターンの村松がインタビューをさせていただきました。永井社長の経歴から株式会社週休3日(以下、(株)週休3日)を創業した熱い思いなど貴重なお話を伺わせていただきました。

 

―まず初めに、永井さんの経歴を簡単に教えてください

大学卒業後は印刷・広告代理業をしている地元企業に就職して企画や営業の仕事をしていました。その後インターネットビジネスを学びたいと、Web系のコンサル会社にも転職しました。ちょうどその頃、結婚・子育てに加えて、趣味で続けていた演劇や仕事など様々なライフイベントが重なり、仕事とプライベートの両立が難しくなってきました。そして、自分の働き方について真剣に考えるようになりました。

そんなタイミングで、とてもありがたいご縁があり、人事担当者を経て介護施設の施設長をさせていただく機会を得ました。その介護施設での体験がこの(株)週休3日を設立する大きなきっかけとなりました。

 

―永井さん自身の実体験から働き方について真剣に考えられるようになったんですね。(株)週休3日はどのような事業を展開していますか?

現在は、特に医療系職種に特化して薬剤師と薬剤師を採用したい薬局や企業を“働き方”でマッチングしています。相談者の求める働き方に対して、最適な勤務時間や日数のパターンを提案し、それにあった職場を提供しています。

世間では正社員に対して「一週間に40時間働く」というイメージが定着していると思うのですが、これは法律が定めたものではなく、企業側が規定内で独自に設定したものなんです。情報技術が発達し、業務の効率が上がった現代ではこの働き方だけでなくてもいいと考えています。

働き方を選択できることで、雇う側は人材採用の可能性を広げることができ、働く側も自分のライフスタイルを実現できる働き方が可能になります。週休3日正社員で人材採用することは、離職率も下がり、新たな人材採用費の削減にもつながります。

また、医療関係の職業は患者さんと直接かかわることが多く、働き手自身の心の状態でサービスの質が大きく変わると考えています。働く側が心や体にゆとりがない状態では良いサービス提供ができないと思います。そこで週休3日という働き方で考えると、1週間の休みを2日から3日に増やすことで心にゆとりが生まれ「もう1日休みたい」から「もう1日働いてもいいかも」と捉え方にも前向きな変化が生まれます。

 

―一般的な給与などではなく、“働き方”で働き手と雇う側をマッチングすることで、双方にとってメリットがあるんですね。ご経歴の中で介護施設での経験が起業のきっかけになったとおしゃっていましたが、その背景について詳しく教えてください

先ほど述べたように、私は以前介護施設で働いていました。その時、人材不足に悩まされており、その改善策として、正社員が自分自身で働き方を選択できるようにしたらいいのではないかと考えるようになりました。

そこで、従来の正社員に加えて週休3日正社員という選択肢を新たに増やしました。その結果、産休明けの女性やパートから少し頑張ってキャリアアップしたいと考える人から週休3日正社員を選択されることが多くなりました。

そして、6年経った頃には全社員のうち半分近くが週休3日正社員を選択するようになり、離職率も半減以下にすることができました。前述の通り、週休3日正社員だと「もう1日働いてもいいかも」くらいで働くことができるので、辞めたくなりづらいのです。

この経験から、もっと働き方の選択肢を増やすべきだと考えるようになり、(株)週休3日を設立しました。さらに、この静岡県西部地域は、薬剤師が不足している地域でもあったため、薬剤師の方にとってもっと働きやすい環境を作ろうと考えました。

 

―週休3日正社員が多くの方に選ばれるのにはどんな理由があるのでしょうか?

平日に趣味である山登りへ行きたい、結婚して主夫になったけれど正社員として働きたい、勉強と家庭と仕事を両立したいなど、さまざまな理由で週休3日正社員を選択される方がいます。年代的には20代30代が多いです。

意外かもしれませんが、男性も女性も週休3日正社員を選択する割合は同じぐらいです。きっと働くことに対しての価値観が変化しているのだと思います。薬剤師とマッチングする薬局側も「若い薬剤師さんで、長い期間働いてくれるなら週休3日正社員でも採用する」と考えてくれています。

 

―週休3日正社員を選択するのは女性が多いイメージでしたが、多くの男性にも支持されているのは意外でした。働き方や子育てへの考え方が変化してきているのかもしれませんね。永井さんは地域とのつながりなどどのように考えていますか?

静岡県西部は、薬剤師が不足している地域でした。週休3日正社員という働き方に魅力を感じて実際に浜松エリアに移住してきた薬剤師の方もいます。

地方はそれぞれ移住促進をしているけれど、その内容にあまり大きな差がないと感じています。しかし、この週休3日正社員で働けるということは、仕事とともに自分が大切に思うことに時間を使えるので、移住するきっかけになるのではないかと考えます。いずれこの浜松地域が「週休3日正社員で働ける会社が多いから」という理由でもっと移住が増えればいいなと思います。

 

―なるほど、週休3日正社員をこの地域で広めていくことで移住促進にもつながるということですね。今後の展望を教えてください

今後の展望としては、現在行っている働き方マッチング事業のノウハウを生かして医療系職種以外の全職種に週休3日正社員という働き方を広めていきたいと考えています。ゆくゆくは日本の就業者全体で週休3日正社員という働き方をもっと身近に選択できるようになったらいいと思っています。

 

―薬剤師など医療関係の方向けのサービスですが、今回のコロナ感染症拡大の影響は何かありましたか?

そうですね、転職を希望されていた方も、今回の感染拡大を受けて、転職を延期したり考え直したりされていることはありました。しかし、この感染拡大があり、働き方が見直されているからこそ、新たな選択肢として週休3日正社員を広められたらいいと考えています。

 

―私もこのコロナ感染拡大で医療従事者の厳しい労働環境がよく分かりました。この機会に働き方が見直されるといいと思います。永井さんにとって当社団はどのような存在でしょうか?

経営者は自分の考えに対して盲目的になってしまうことが多いです。しかし、その熱い考えをそのまま押し通せるときばかりではありません。そんな時に第3者目線から客観的に見てアドバイスをくれたり、自分が伝えたいことを翻訳してくれたりするパートナーが必要であり、そんな存在だと考えていますよ。

 

―最後に永井さんの経営者としての想いを教えてください

私自身4人の子供を育てながら仕事をしているので、働くうえで心の余裕があるかないかで人への接し方が大きく変わることを実感しています。すべての人が週休3日正社員を採用すればいいとは思わないけれど、選択肢として当たり前にあるものになっていけばいいと考えて事業を行っています。

 

―永井さん、本日はありがとうございました。

ありがとうございました。

 

インタビューを通じて、“心に余裕のある働き方をしてもらうために、週休3日正社員という働き方を提案したい“という永井さんの熱い思いを感じることができました。コロナの感染拡大を受け、働き方について考え直されているからこそ、この週休3日正社員という働き方が広まっていけばいいと思います。お話を伺って、働いていてもライフワークや育児、趣味といったことにも力を入れられる環境ができたらいいと考えました。

Comment

  1. No comments yet.

  1. No trackbacks yet.